陰にて光咲く



しかしアズマの表情は何一つ変わらない。


「おいっ何とか言えや‼︎」


アズマの正面にいた男が、アズマの顔すれすれのところで壁を殴った。


するとアズマがようやく口を開いた。


「だから何だよ?てか俺が手出してんじゃなくて、俺が出されたほうなんだけど」


「は⁉︎」


「俺はその真美って子から誘われたからちょっと相手してやっただけ。それに真美って子も君の彼女も彼氏なんかいないって言ってたよ?」


まるで喧嘩を売ってるかのようなアズマの口調。


「うわ、ひでーな。あんなこと別に言わなくていーだろ」


健太がボソッと言った。


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