陰にて光咲く



あいつらが部屋を出る時に掃除して行ったのか。


とてもそうは思えないけど…


部屋に金目の物は一切置いてなかったが、アズマに鍵をコピーされてしまったのだ。


また鍵を変えたとしてもアパートを知られてるわけだから、引越しを考えなくてはいけなくなるかもしれない。


あいつのせいでやっかいになったとため息を吐きながら、テーブル前の床に座った。


座ったことでベッドの下が調度見えた。


そこに一点が集中する。


ベッドの下に数枚の紙切れがあるのだ。


何だあれは?


ベッドに近づき、ベッドの下の隙間に手を伸ばす。


そして、それを取り出すとその物の正体がすぐにわかった。


さおりと2人で撮った写真。


それがバラバラに破れた状態で散乱していた。



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