陰にて光咲く



手に持っていたバラバラの写真が、床に落ちていく。


俺とさおりの間で見事に破られたものや、細かく破ったものまである。


それは全部さおりと2人で撮ったものだった。


何なんだよこれ…


これも全部アズマの仕業かよ⁉︎


無残な姿になった写真はさおりとの仲を引き裂かれ、終わりを告げているように感じた。


床に散らばった写真を両手で強く握りしめる。


何で俺たちがこんな目に…


何でこんなアズマに壊されなきゃいけないんだよ…


頭の中で''何で俺が''という言葉が、ずっとぐるぐる回っていた。


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