陰にて光咲く



それから3日後の朝。


顔を洗ってタオルで顔を拭いた後、鏡を見る。


そこには随分とふけこんだ自分の姿があった。


頬もだいぶコケてしまっている。


今アズマはいないはずなのに、それでもアズマに踊らされてる気でいるようだ。


こんな生活はもう限界だ。


さっさとアズマ達の居場所を突き止めて、捕まえてもらいたい。


アズマと二度と会わずに済むように。


すると、充電器に繋いであるスマホが震えてることに気づいた。


誰かからの着信のようで見てみると、非通知と表示されている。


嫌な予感…


だが、出てみないと誰だかわからない。


充電器を外し、電話に出た。


『もしもし?』


『もしもし、星野拓夢さんの携帯でお間違いないでしょうか?』


『そうですが』


『私、赤月警察署の渡辺と申します』


赤月警察署って、この前バイト先に来た警察か。


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