陰にて光咲く



赤月警察署前の停留所でバスを降りる。


そのすぐ側に赤月警察署があり、中へ入って行った。


「こちらでお待ちください」


女性の警察官に案内された部屋は、テーブルと黒いソファがあるだけの小さな個室だった。


ソファに座って渡辺が来るのを待つ。


テーブルの上には新聞と、タバコの吸殻が入った灰皿が置いてある。


しばらく待っていると、部屋のドアが開いて渡辺が入ってきた。



「どうも。わざわざお越しくださりありがとうございます」


「あの、それで話というのは?」


なぜか気持ちが急いでいた。


渡辺は向かいのソファに座って、話始める。


「ええ。実は2週間前ぐらいから竹内の行方が掴めていない状態でして…星野さん、心当たりありませんか?」


アズマの行方がわからない?


まだ掴めていなかったのか。


捜査が進められていると思っていたので、わかりやすく肩を落とした。




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