陰にて光咲く
てっきりグループの奴らは知ってて、一緒に逃げてると思ったのに。
俺は疑問に思いながら首を横に振った。
「いえ、知りませんけど…」
「はーん…やっぱあいつ、とうとう逃げたか。いずれやるんじゃねーかって思ってたけどな」
ヨースケは意味深なことを言いながら、客の待ち時間のためにあるソファにどかっと座った。
「逃げた…?」
「知ってたか?アズマの奴、俺らのグループから抜けたがってたの」
「え?」
耳を疑った。
抜けたがってたって、どーゆう意味だ?
その続きの話が聞きたい。
受付カウンター越しから、身を乗り出す。
「どーいう意味ですか?聞かせてください!」
ヨースケはタバコに火をつけて、ふうっと吐き出した。
「アズマから聞いてると思うけど、俺らドラッグの密売してんだ」
「ドラッグ…」
「そんでアズマがグループに入ってきたのが、ちょうど2年前だったな」
そこでヨースケから、アズマがグループに入ってきてからの経緯を聞いたのだった。
その話には、一人の少年の残酷な過去が隠されていたー