陰にて光咲く



そしてヨースケと共に溜まり場へ行くと、そこではドラッグパーティーが開かれていた。


たくさんの若い男女が薄暗い巨大なフロアで、音楽のリズムに合わせながら踊ったり歌ったりしている。


あちこちにある丸いテーブルの上には、丸い飲み薬のようなものが散らばっていた。


「お前にもやるよ」


ヨースケに渡されたのはぬいぐるみのようなストラップ。


「何だよこれ?」


「開けてみ?」


そのストラップはポーチのようにファスナーがあり、それを開けてみる。


中から出てきたのは二つの玉薬。


それを手にした瞬間、すぐにドラッグだと感づいた。


「アズマも一緒にやろーぜ」


「でもこれ、ドラッグだろ?」


「今じゃ普通にみんなやってるぞ。ここにいる奴らもな」


薬をにぎるアズマの手が震えていた。


< 122 / 211 >

この作品をシェア

pagetop