陰にて光咲く
フロアにいたもの達が、全員アズマに注目した。
アズマは床に手をつき、床に頭をつける。
そして、再度頼み込んだ。
「お願いします。グループから抜けさせて下さい!」
沈黙が続く。
成瀬の顔が見られず、頭をさげたままで目をぎゅっとつむっていた。
しばらくして、成瀬がふっと笑った。
「そうか・・仕方ねーな」
その言葉に目を開いた。
もしかして、わかってくれた・・?
成瀬の足が目の前にまで迫った。
そしてその場にしゃがみこみ、優しい声が降ってきた。
「アズマ・・」
その瞬間、背中に激痛が走った。
「うあっ‼︎」
「お前、意外といい度胸してんじゃねーか」
成瀬の右手にはナイフがにぎられていて、先端が赤く染まっていた。
「あれ、言わなかったか?俺を裏切ったらどうなるか・・なら、わからせてやるよ」
成瀬はアズマの髪を掴んで正面を向けさせ、アズマの左腕にナイフの先端を突き刺した。
「い゛っ!!」
左腕が服越しに赤く染まっていく。