陰にて光咲く
「お前にそんなクソ真面目なセリフ似合わねーよ」
ソウはビニール袋を持ってアズマに近づいた。
そしてアズマの頭を強引に押さえつけ、鼻と口にビニール袋を当てた。
「お前が薬をやめてグループから抜けるなんて許さない」
アズマは抵抗するも何度か呼吸をしてしまったようで、目がうつろになってきていた。
しばらく全員でシンナーをやっていると、この部屋の住人が帰ってきた。
どうやら帰ってきた男とアズマは知り合いらしい。
案の定、住人の男は勝手に部屋に上がりこんでいることを怒り、アズマを殴った。
そして男が部屋を出ていった後、ソウたちはヘラヘラ笑いだした。
「あいつ怖え〜!アズマ殴られてたな、大丈夫かよ?」
「アズマの知り合いにしては普通だよな。なあ、あいつアズマの友達?」
ヨースケがアズマの肩に手をかけると、アズマはヨースケの手を強く振り払った。
「触んな」
「アズマ?」
「お前らもう出ていけ」
静かな空間にアズマのかすれた低い声が響いた。