陰にて光咲く
第二章 「接近」
「何なんだよ、あのアズマって奴は!」
3限の講義が終わったあと、ベンチで健太とぐだってる時に健太が叫んだ。
健太もアズマが変な奴だとわかったらしい。
まあさっきの出来事で誰もが思っただろう。
健太に一回アズマと踏切で会った事を話すと、健太は「おかしい」を連発した。
「絶対普通じゃねーよあいつ!何考えて生きてんだ」
健太がイラついたように頭を掻きながら言うと、
「さあな…世の中にはあーゆう奴もいるってことだよな」
と、力なく言った。
それにしても本当にアズマと同じ大学だったのだろうか。
同じ敷地内にいたわけだから間違いないと思うが、半年以上この大学にいて今まで一度も会ったことがない。
学部が別だからなのか。
「なあ拓夢、いいか?今後あいつと関わるんじゃねーぞ!ろくなことねーから。なんかあいつ拓夢に対しての行動変だし、さっきのあれだって…」
健太がそう言ったところで、耳元のあの感触を思い出してしまった。