陰にて光咲く
「言っとくが、アズマをグループに誘ったのは俺じゃねーぞ。あいつがのこのこ入ってきたんだ」
成瀬はそう言いながら、たばこの煙をふうっと吐いた。
「生きることに疲れきった目してよ。だからあいつに教えてやったんだよ、何も考えずに楽しく金稼げる方法をな。けど、急にアズマは薬を辞めたいと言い出した」
「…何で辞めさせないんですか?」
震えた声で成瀬に問うと、成瀬は大げさに笑い出して言った。
「辞めさせるかよ普通。辞めたいと言った奴らを野放しにして警察にでも行かれたら、俺たちが厄介だからなぁ」
ケラケラ笑う成瀬を見ていると、徐々に怒りがこみ上げてきた。
警察に知られるのが怖いから?
そんな勝手な理由でアズマを自分に縛り付けていたのかよ。
それでアズマをナイフで…
「ふざけんな…」
「あ?」
「ふざけんなって言ってんだよ‼︎」
気がつくと、成瀬に飛びかかって胸ぐらを掴んでいた。
「あんたのせいでアズマが、どれだけ傷つけられたと思ってんだよ‼︎」
成瀬をきつく睨んでも、成瀬は笑っていた。
胸ぐらを掴んでいる手に、いっそう力が入る。