陰にて光咲く
思えば、今までにアズマが俺にSOSを出してる時があった気がする。
クリスマスの日。
アズマは俺に「親友になってほしい」と、頼んできた。
その時は、ただ信頼できる友達がほしいからだと思っていた。
けれどその言葉は、俺に「助けてほしい」という意味で言っていたのだったら・・
薬の世界から抜け出したいと、俺に救いの手を差し出してほしかったのではないか。
ー「俺、拓夢なしじゃ生きてけないもん」ー
アズマの笑顔が頭に浮かんでは、消えた。
「バカヤロ…」
小さく呟いたその声は、地面に打ちつける雨の音に消されていった。
雨が俺の頬を濡らし、それは涙のように流れていった。