陰にて光咲く
そして翌日。
4限の講義の後、さおりと待ち合わせしている。
今日さおりに告白すると決めてからずっと緊張していて、授業が身に入らなかった。
4限の講義が終わると、すでに夕方の4時を回っている。
待ち合わせ場所へ向かうと、キャンパスの側にある噴水広場のベンチにさおりが座っていた。
さおりは俺に気づくと立ち上がった。
「ごめんな、待たせて」
「ううん、全然!」
この後の事を考えると意識してしまい、さおりの顔が見られなかった。
「じゃあ行くか!」
「うん」
歩き始める2人。
緊張すると、どうしてもそわそわしてしまう。
一旦心を落ち着かせようと深く息を吸った時、
「あれっ拓夢じゃん」
後ろから呼ぶ声に振り向いた。