陰にて光咲く
アズマ…
一番会いたくなかったアズマが目の前にいる。
それとアズマの隣にはボブヘアーの女の子。
アズマの彼女か?
いや、そんなことどうでもいい。
「何やってんだよ2人で!もしかしてデートか?」
アズマはニヤニヤしながら、俺とさおりを交互に見る。
「いや、別にそんなんじゃないから…」
そう言うと、さおりが少し不満そうに俺を見た。
「ふ〜ん…それよりさ、びっくりだわ!お前がこの大学にいたとわな。なんか運命みたいなもの感じねーか⁉︎」
嬉しそうに話すアズマだが、その話に俺は心の中で全否定した。
こいつとの間に運命なんかあるはずあるか。
冗談でもやめてくれ。
アズマが話を続けた。
「俺、ここの学生じゃねーからたまにしか授業来ないけど、よろしくな!俺もこれからデートだからまた会おうな、拓夢」
そう言ってアズマは隣にいた女の子の肩に手を回して去って行った。
アズマ、学生じゃなかったのか…
だから見かける機会がなかったんだな。
ってこんなことどうでもいーし‼︎
関わらないって決めたのに、また話してしまったじゃんかよ。
もう二度と会いたくねーのに。