陰にて光咲く
アズマは俺の隣に腰を降ろした。
「拓夢、ごめんな。俺のせいだ」
うつむいたまま、アズマの話を聞いた。
「拓夢をこんなことに巻き込んだのも俺のせいだ。俺が成瀬との関係をさっさと経ってれば、こんなことにならなかった。本当にごめん…」
俺は首を横に振る。
「違う…お前のせいじゃない。お前のせいじゃないから…」
頭に同じ言葉が回ってるせいか、口でも同じ言葉を繰り返してしまう。
これからだったのに…
やっとここからまた始められると思っていたのに。
引き返せないところまできてしまったんだ。
俺たち、これからどうすればいいんだ…
このまま二人で隠れ続けていくのだろうか。
でもいずれ警察がこの場所を突き止めるだろうし、隠れ続けるなんてそんな間違ったことできない。
やっぱり警察に行ったほうがいいのか。
けど、俺にはそんな勇気まだない。
これからどうすればいいんだ…
時間が刻々と過ぎていく。
俺もアズマも何も言わず、黙ったまま。