陰にて光咲く
「高校の時にヨースケ達と会って薬をやり始めてから、初めて生きがいを感じたんだ。
これが生きてる中で唯一の楽しみなことだって。
けど、それからもずっと成瀬に散々脅され続けて…
あそこにも俺の居場所はないと感じたんだ」
ヨースケから聞いた、成瀬にナイフで刺されていたアズマの話が蘇った。
アズマを傷み続ける酷い絵が想像できる。
「一生こんな苦しい人生が続くくらいならもう終わらせようと、あの晩踏切に立った。
けど、その時に拓夢が助けてくれただろ。
俺あの時、嬉しかった」
「え?」
「死ぬのを止めてくれる奴がいたことに。
拓夢のような奴がいてくれたから、まだもう少し生きてみようと思ったんだよ」
「アズマ…」
アズマは顔を両手で覆いながら話した。