陰にて光咲く
踏切でアズマを助けた後、変なことを言い出すアズマに何で俺が助けたんだろうと後悔した。
けど、それは間違ってた。
アズマを助けてよかったんだ。
今こうしてアズマが生きててよかったと感じてくれるなら…
立ち直って罪を償い、また人生をやり直そうとしてくれるなら…
これでよかったんだ。
「アズマ…」
俺はアズマの方を向いた。
「アズマの心に負った傷は一生消えることないと思うし、これからもその傷に苦しむことになると思う。
けど、お前はもう一人じゃないし、後ろを見れば俺がいるから。
お前についてる。
人生やり直したいという気持ちがあるなら、必ず未来は変えられるから。
だからもう、生きることに悩むな」
そう言った時、アズマの目に薄っすら涙が浮かんでるのが見えた。
そして、ゆっくりうなづいた。