陰にて光咲く
外は相変わらず静かなままだ。
電気を付けてないため部屋は暗いけど、満月の光が部屋を照らしている。
もう深夜の11時をまわっていた。
アズマとは特に余計な話はせず、壁にもたれたまま時間だけが過ぎていった。
するとアズマが顔を上げて言った。
「拓夢、一つ提案があるんだけど」
俺はアズマの話に耳を傾けた。
「このままここに隠れていてもいずれ警察が来る。だから俺はここに残って警察に行こうと思う。拓夢は、俺をおいて逃げてもいい」
「え?」
「お前を巻き込んだのは俺のせいだし、関係ないお前を警察に行かせるわけにはいかねーから」
俺は拳を握りしめた。
そんなんでいいわけない。
だって、成瀬をやったのは俺だ。
全部アズマに罪をなすりつけられない。