陰にて光咲く



それから一週間が経った。


ー日曜日ー




部屋でテレビを観ながらくつろいでいた時、テーブルの上にあったスマホが震えていた。


『もしもし?』


『拓夢!久々〜』


『おーっ健太か!』



健太と電話するのは半年ぶりだ。


健太は大学卒業後、都内の外資系企業に就職した。


俺が逮捕された後たくさん迷惑かけたけど、今でも俺を気にかけてくれている。


いつも見捨てないでいてくれることに、感謝しかない。


『なあ、この前受けた自動車会社の面接どうだったんだよ?』


『ああ、無事決まったよ』


『おお〜っよかったなぁ‼︎いや、マジでよかったじゃん』


健太は電話の向こうで大絶叫で褒めたたえてくれた。



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