陰にて光咲く
そして、警音器が鳴り響いている踏切の前に着いた。
そう、ここの踏切は忘れもしない。
4年前、アズマがあの真ん中に立っていた。
一瞬こっちを向いたアズマの目は、一人で全部背負いこんで生きてきたように光を失っていたんだ。
けど、今ではあの黒い瞳に少しでも光が宿って帰ってくることを祈ってる。
「すいません、星野拓夢さんの家って知ってますか?」
背後から聞こえた謎の低い声。
最初自分に話しかけてるのか、わからなかった。
星野拓夢って…
俺じゃん。
てか、この声…
「えっ⁉︎」
振り向くとそこには、
アズマ。
アズマ?嘘だろ…
これは夢か?
いや、夢のほうが納得いくし。