陰にて光咲く
「平気だって。運転するの初めてじゃねーし」
ケラケラと笑い出すアズマだが、俺は笑えない。
初めてとか、そういう問題じゃねーし!
一体今日でいくつの犯罪を犯してるんだよ。
やっぱりこいつといるとろくなことないと思ってる反面、今のこの状況を少しだけ楽しんでる自分もいた。
今までに感じたことのない快感がこみ上げてきて、こんなのも悪くないと思っていた。
自分まで頭おかしくなってしまったかのようだが、これが正直な気持ちだった。
アズマは家まで送ると言って、俺の誘導でバイクを走らせた。
静かな住宅街にバイクのエンジン音だけが響く。
しばらくして、俺のアパートに着いた。