陰にて光咲く
第四章 「親友」
今日は12月24日。日本全国クリスマスイブ。
街中がイルミネーションでキラキラしていて、すれ違う家族やカップルはみんなこの日を楽しんでるようだ。
夕方の5時にさおりと待ち合わせ、2人で今日の夕飯やシャンパンやワイン、ケーキなどの買い出しをする。
「よしっあたしがこれで飛びっきり美味しい料理作るからね!」
すべて買え揃えると、さおりが満足したように言った。
「おう、期待してる」
初めてさおりの作る料理を食べることができるのを、楽しみにしていた。
見て見ぬフリをしているが、すれ違うカップルはみんな手を繋いだり、腕を組んだりしている。
こんな特別な日でも、まだカップルじゃない俺たちは手を繋ぐことができない。
今日こそ決めると、朝から決意していた。
一晩さおりと一緒にいられるのだから、チャンスはいくらでもある。
絶対告ってみせると、ポケットの中で拳を握りしめた。