陰にて光咲く
「じゃあ私からも拓夢にプレゼント!」
さおりが赤色の包装紙でラッピングされたプレゼントを差し出してきた。
「マジで?ありがとう」
袋を開けてみると正方形の箱が出てきてそれを開けてみると、腕時計だった。
「拓夢、腕時計もってなかったでしょ?」
「すげーいいな、このデザイン」
さっそく付けてみると、さおりは絶賛した。
「いいじゃん!カッコいい」
「マジで?ありがとな!大切にするよ」
腕時計は一つも持っていなかったから、すごく嬉しかった。
さおりの喜ぶ顔を見ると、俺も幸せな気持ちになれる。
こんな風にさおりとずっと一緒にクリスマスが過ごせたらいい。
俺はずっと胸に秘めていた気持ちをさらけ出す覚悟を決めた。
「あのさ、さおり…」
何故だか今日は余計な緊張感はなく、素直になれる気がしていた。
「なに?」
俺はまっすぐさおりの目を見つめた。