陰にて光咲く
アズマは料理が並んでるテーブルの前に座った。
「拓夢さ…」
「なに?」
「お前、あのさおりって子と付き合えたの?」
アズマの問いに軽くうなづくと、しばらく沈黙が続いた。
なんだよこの沈黙…
不思議に思っていると、
「よかったじゃん!ずっと告白するチャンス逃してたんだろ?」
と、俺に向かって嬉しそうに笑った。
なんだ…なんか気に食わないこと言われるんじゃないかと思った。
俺は台所へ行って、2人分のコーヒーを入れた。
アズマはテーブルの上の残った料理を食べながら言った。
「でもいーなぁ、付き合えて。羨ましい」
「アズマは特定の彼女作らねーんだろ?」
テーブルにコーヒーを運びながら言うと、アズマは首を横に振った。
「違うよ。拓夢と付き合えるのが羨ましいってことだよ」
「はあ?」
危うくマグカップを落としそうになった。