陰にて光咲く
「またなんか悩みごとがあったら、いつでも頼ってね」
女の子は軽く頭を下げて、立ち去った。
今のやり取りを見ていて、最悪な想像が浮かんでしまった。
今、女の子が持っていったのってまさか…
アズマ…
あいつもしかして…
俺はアズマに気づかれる前にその場から退散し、先に歩いていた健太たちのもとへ戻った。
「拓夢、どうしたの?顔青いよ⁇」
さおりが心配そうに俺の顔を覗き込んだ後、俺はボソッとつぶやいた。
「アズマの奴、マジでヤバイ奴かもしれない」
「ヤバイってなんか見たのか?」
「薬やってるっぽいんだ…さっき、女の子と取引みたいなことしてるの見てさ」
さっきの光景を健太とさおりに話す。