僕の愛した愛。
そんなことを思い、コンビニで軽食を買い家に帰ろうとした時

僕の世界が止まった。
まるで時間が止まったようだ。

コンビニの駐車場
すらりと伸びた長い手足。小さい顔。大きい目。当時より随分と大人びたスーツ姿の女性。髪の毛はぴっちりまとめられキレイにメイクをしていた。
ぼくの愛おしい人、愛を見かけたのだった。

ぼくは目を疑った

愛は忙しく車に乗った。そして愛の車は遠くへ走り出した。

ここて追いかけることもできただろう。
でも追いかけてなにを言う?
なにを話そう。そんなことを考えていたら僕は動けずにいたのだ。
別れて初めて愛を見かけたのだったのだから。
13年ぶりに見かけた愛は少し大人びたけど僕の記憶の中の愛のままだった。
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