私、支持率No.1らしいです
包装を開け、アホは新品のパンツを手に取る。
「へぇーお前の兄ちゃん、トランクス派か?チェック柄は嫌いじゃねーけど…色合いがいまいちなぁ~」
ぶつぶつ感想を呟くアホ
「さっさと履けやっ!」
有紗は怒鳴り付ける…しかし、アホはニヤっと笑い、様々なポーズをとり始める。
「何だよぉ~俺様の裸なんて滅多に見えるもんじゃないぜぇ~アリサ?遠慮すんなっ!もっとじっくり見とけって?そして頭に焼き付けろ!」
相手は、あのアホ…でも人間の姿で裸…有紗は中学生…お年頃の女の子です!両手で目を覆うも…指の隙間からチラッと見ちゃう…そんなお年頃…
そして、心の内で思う。

“急でびっくりしたけど…凄い身体してる…それに…なんか…綺麗だな…”

不覚にも有紗は、人生で初めて男性の肉体に魅せられる…その相手がアホというのが少し解せない…
「ほらよっ!これでいいか?」
アホはパンツを履き有紗へ声を掛けると“ハッ”っとする有紗…一瞬だが完全に魅浸っていた様だ…ちょっと悔しい
「とっ…とにかく!何で人間になってんの?丸い風船みたいだったじゃない?」
その問いに対しアホは人指し指を振り
「チッチッチッ…これが本当の俺の姿なんだなぁ~アリサが気失ってから戻った!まさかあんな姿まで制限されるとは思ってなかったぜ?流石はNo.1だなっ!スゲーよ!」
どういう事か理解できない…
「俺たちが対象の人間を決めて、コッチに来るには制限を受けるんだよ!その人間の強さによって制限の度合いは変わるんだけどな…この俺があれだけなるって半端ない制限だぜ?」
システムはわかった気がする…しかし
「じゃあ制限が無くなったって事?」
数秒間、目を閉じて何かを確認するアホ…
「まだ全部ではないな…制限緩和には対象の生命力低下、もしくは信頼性の獲得になってる…アリサの意識無くなったからかと思ったけどなぁ…今もこの姿って事は俺を信頼してくれたって事だな…ありがとな!アリサ!」
真面目に説明し、笑顔で感謝するアホ
…何故か有紗は、照れてしまう。
「信頼したつもりは無いけど…まぁ…どういたしまして…でも丸い方が可愛かったなぁ」
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