私、支持率No.1らしいです
アホが意識を取り戻すと、目前にはお父さんが腕を組み仁王立ちで待っていた…

「有紗が止めたので、殺さずにいたよ」

有紗の頭突きで失神した事を思いだし、額へ手を当てようとしたが身体の自由が利かない…
そして、おかしな点に気付く…お父さんは確かに立っている……天井にっ!しかし、違った…アホの視界が上下反対だった。縄でぐるぐる巻きに縛られ、逆さ吊りにされていた様だ…意識がまだボーっとする。

「んん?頭に血が昇ってるか?仕方ないな」

そう言うと、お父さんは片足でアホを揺らし吊るし縄の固定を外してやる。横向きに床へ落下するアホ…視界が変わり奥にお母さんと有紗と…恐らく現在アホが履いているトランクスの持ち主、有紗の兄(ちょっとシスコン)太一の3人が見えた…アホへの尋問が始まる。

「概ねは有紗から聴いたわ、あなた…人間じゃないらしいわね?」

〝アンタもな…〟

と思いながらアホは答える。

「…自分、魔法の国の妖精なので…」

普通に聞いたなら、精神的に危ない奴、もしくは中2病かと思われる返答

「じゃあ次に…と言いたいけど面倒くさいから、簡単にまとめて…有紗が支持率No.1で魔法少女に選ばれて、戦って勝たないと人類が滅亡する…この解釈で間違いないかしら?」

意味なく、どや顔でアホは言い放つ

「はい、その通りですっ!アリサにしか出来ません!」

…しばらくの沈黙後、有紗を除く長峰家一同は笑いだす

「ウフフッ…魔法少女かぁ、有紗なら選ばれて当然よねっ!」

「あったり前!有紗は俺の中でずっと支持率No.1だけど!へへへ!」

「ハッハッハッ!お母さんも太一も何を言ってるんだ!有紗は家の天使だろう?」

“…おかしい…私の家族…絶対おかしい…”

有紗は心の底から思った。
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