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私が学校に向かっていくのとは反対方向に進んで行くヴィラを少しだけ見送って学校へと向かった。


朝のテレビでは晴れだと言っていた空は昨日までの余韻を残すかのように太陽が見えず曇っている。

「おはよー」
「今日一限なんだっけ?」

そんな声が飛び交う昇降口で靴を履き替える。

何時もならもう少し遅く来るが、今日はピークの時間帯に来てしまったようだ。

騒がしく、馴れない昇降口を足早に通り抜け、教室を目指す。

途中で挨拶をしてくるクラスメイトには適当な笑顔で返した。

(もう少し遅く来ればよかった)

そんな後悔ももう遅く、HRが始まるまでの時間が憂鬱で仕方がなかった。


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