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「おっはよ!」
そんな陽気な声で挨拶しながら肩に手を置いてくるのは一人しかいない。
「はいはい。おはよ。重たいから手退けて。」
「相変わらず冷たいことで。ていうかこんなに早く来てるって珍しいね?」
そう言いながら机にかばんをかける姿にも少し色気のある女は戸町渚(とまちなぎさ)。
「早く来すぎた。」
そう項垂れる私に少し飽きれ、溜息をする。
「たまにはいいじゃん。それに、一限。どうせ出ないんでしょ?」
(一限。なんだっけな。)
そう思い黒板に目をやると体育と書いてあった。
「うん。出ない。」
「りょーかい。」