【短編】嫌いな人
僕は思い切って電話で聞いた。
他に好きな人ができた?
そしたら君は黙っていた。
けれどすぐ、そうなのとなぜか声を震わせて言った。
おかしいよねそんなの。
泣きたいのはこっちだ。
僕から別れを告げて電話を切った。
これでよかった。
それから君を忘れるまで必死に日々を過ごしたよ。
忙しくすれば忘れられると思ったからね。
そして3年の春、本当だったら5年記念日の日に君の母親から電話があった。