アイドルの兄と地味な妹・2
荷物を整理し終わって
リビングに行くと仁がいた
お風呂上がりなのかテレビみながらワシャワシャ髪を拭いていた
たったそれだけなのに
キュンってなる
仁の横に座った
「お疲れ様、妃」
『お疲れ様、仁!』
多分顔赤い気がする…
「歌番どうだった?」
『生放送だったから凄い緊張したよ
人前で歌うのも初めてなのに生だったから尚更…』
仁は笑いながら
「誰だって初はそうだろ
でも俺事務所変わってまじでよかった」
仁は別の事務所からうちの事務所に移って来たんだよ
『そうなの?』
「前のとこは社長がやれって言ったら絶対だった。
NGなしで、本人の意思は尊重されない。したくない事でもさせられた
特に雑誌撮影はな…
それに休みもほぼなかった」
悲しそうに遠くを見る仁
ある程度事務所の事について知ってる私は、仁が前いた事務所が仁を…芸能人をどういう風に扱っていたか考えると涙が出てきた
「妃?
何で泣いてるんだよ
参ったな…
泣かせるつもりはなかったのに
ごめん、妃」