夜の甘やかな野望


「意外」

「は?
 なにが?」


宗雅は宗忠に冷めた視線を向けた。


「そこまで女性に対して甘くなれるんだ」

「何言ってんの?
 相手によるに決まってるだろ」


心底バカにされた口調に納得いかない。


「ニイニには女の子なんて、その辺りにいるアリと一緒じゃない」


つい小さい時の呼び方が出た。


「おまえに言われたくない。
 ま、その内、わかるんじゃないの?
 おまえも」

「うっわー、相変わらず上からだね」

「当たり前だろ。
 おまえよりも上だ」


しれっと言い切られて、ちょっと宗忠は不貞腐れた。
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