夜の甘やかな野望


「でも、理事長夫人の仕事、一切やらないって言ったら、どうするの?」


宗雅はグラスにくちびるをつけたまま、流し目でこちらを見た。


相変わらず、無駄に色っぽい。


ここまでいくと、有害だ。


「なんとかする」

「どっちを?」

「どっちも」

「あーそうですか」


この兄には無駄な質問だった。


欲望の生まれ変わりだ。
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