夜の甘やかな野望
「大学の同じ職場で働いております岡田倫子と申します。
大学よりお見舞金が出ましたのでお持ちしました」
妖精さんは、にこやかな笑顔を浮かべると、廊下に出ようとするのに倫子は脇に避けた。
「ありがとうございます。
宗忠さん、お休みになっているので、こちらでごめんなさい。
麻酔が切れた後、痛みで中々眠れなくて、やっと先ほど寝付いたの」
あー、可愛い声にしゃべり方だ。
倫子はほわんとして見惚れていた。
「あ、そうですか。
ええと、ではこれを」
倫子はバッグからのし袋をとりだした。
「ありがとうございます。
いただきますね」
にっこり笑う笑顔に、倫子はうっとりとした。
彼女の周りに花びらが飛んでいるのが見える。
女でも惚れるかも。