夜の甘やかな野望


倫子は頂きますと素直に頭を下げた。


「では、ごめんください。
 お気をつけて」


妖精さんは綺麗に頭を下げてから、ドアの向こうに消えて行った。


倫子も頭をもう一度下げて、廊下を歩き出す。


宗忠さん、か。


衝撃が去って、今のやり取りを思い出す。


もしかして・・・“結婚”したとか。


それを知ったチョウチョの一人が刺したとか??


とりあえず、よくわかったのは、完敗ってことだ。


妖精さんは次元が違う。


まあ元々、勝負でさえないけど。


割り切っていたと思っていた倫子は、想像以上のショックを受けていた。
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