夜の甘やかな野望


「で?」

「うーん、寝室?」

「自宅の?」

「いつの間にかカードキー、コピーされてたみたいで。
 もう変えたから大丈夫だよ。
 あ、そうだ予備キーを持ったままだったから、倫子さんにあげる」

「いりません」


速攻だ。


地味に傷つく。


「彼女はどうなったんですか?」


どの彼女だろう。


莉奈のこと?


「ごめん、倫子さん。
 どの彼女?」


ああ、沈黙が痛い。


刺された時よりも痛いかも。
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