夜の甘やかな野望
「刺した彼女です」
「あ、そっちね。
とりあえず、保釈されたよ」
「殺人未遂なのに?」
「いや、まあ」
親同士のつながりというか、ネットワークっていうか、関係が維持っていう方が大事だった、なんて言えない。
「こちらの不備もありってことで」
「ふーん」
なんかめちゃくちゃ機嫌悪そうだ。
めげそう。
「それだと、また刺されませんか?」
「それは大丈夫だと思う。
海外に出たし」
表向きは留学として、海外の精神病棟に。
倫子さんには絶対、言えないな。
身の危険を感じるってことで、別れられちゃいそう。
始まったばかりなのに。