夜の甘やかな野望


そのままベッドから降りて、飲みたくもない水を飲む。


これまでの彼氏の時のように、気づかないことにして、何事もなく過ごせばよかった。


夜になると、そんな後悔を何度も繰り返した。


でも、そうしたら結果は、“また”捨てられるのだ。


あの男から、“やっぱり、彼女は僕が守らないとって思うから”と言われたら、二度と立ち直れない。


そう。


割り切っているのではなくて、おびえている。


らしくないのに。


全然、私らしくない。


倫子はグラスを流しに置いた。
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