夜の甘やかな野望
8.


       *


時々ニュースで特集になっていたりする。


大変だなあと思いつつ、どこか他人事だった。


過疎の医療問題。


それに自分が関係するとは思わなかった。


多忙な中、宗忠はこまめに倫子に会いに来ていたが、先週、言いにくそうに切り出してきた。


医者のいない過疎の村々の面倒を診る、巡回医をやることになったと。


今の病院は地方都市の拠点病院だが、過疎の村々を繋ぐ拠点の診療所を作ることになったらしい。


そこの出向を希望したというのだ。


当面は一人で看護師もなし。


時々、非番の先生が入る。


事務処理はカルテを本院に電子送信して、処理してもらうから、医者一人でもなんとかなるらしい。
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