夜の甘やかな野望
ずずっとココアをすする。
もしかして、自然消滅、狙っているのか。
そうしないで、ちゃんと言うって約束したけど。
いつでも倫子に対して甘くって、でも不安で、友達にそう愚痴ると、のろけにしか聞こえないって言われるけど。
でも。
台車を押す音がして、倫子が視線を向けると、茂み越しに宗忠の姿があった。
段ボールを4つ、積み上がっている。
手伝おうと中腰になりかけて、看護婦が追いかけているのに気が付いた。
「内藤先生」
宗忠が台車を止めて振り返った。
「山崎さん?」
「よかった、間に合って」
追いつくとほっとしたように表情を緩めた。