夜の甘やかな野望



高速道路を飛ばしたおかげで、碧たちが撤収のために造園道具をトラックに積み込んでいるところに間に合った。


道路の反対側に車を止めて、運転席から碧の姿を探すと、何人かの男女に交じって片づけをしているのを見つける。


若そうな男が、碧の持っていた梯子を取り上げ、トラックの荷台に載せた。


二人は言葉でなくて笑顔を交わす。


うっわー、かなり面白くないんだけど。


胸がむかむかするのに、宗雅は車を降りて、ドアをやや乱暴にしめた。


その音でか、あるいは宗雅の視線かに、碧が顔を向けて表情を止めた。


今、胸の中で“げっ”と絶対思ったな。


宗雅は目を細めてからサングラスをとる。


視線をあわせたまま、ゆっくりと歩きだした。


隣に立っている男も、宗雅が誰だかわかったらしく、険しい顔で見ているが、それは無視だ。
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