夜の甘やかな野望
「こちら岡田倫子さん。
彼女は三崎さゆりさん。
えーと、幼馴染っていうかな?」
さゆりはそうですね、と寂しそうな微笑を浮かべ宗忠を見上げる
なぜか翳りのある表情。
二人の視線が絡む。
やがて宗忠の方がそれをほどいて、倫子に向けた。
「家が近所だったんだ。
親同士にも交流があったから、幼稚園から高校までは学校も一緒だった」
「そうですか」
なんだか身の置き所が無い空気。
倫子は体重を右足から左足にかけなおす。
つながっている手を解こうと少し引いたが、宗忠が離す様子はなかった。