夜の甘やかな野望
「また、兄にメールしてみるよ。
休憩の所、邪魔してごめんね」
さゆりは無言で首を振った。
声が出せない様子。
それに宗忠は気遣うような眼差しになった。
「なにか・・・できること、ある?」
さゆりの視線が揺れて、伏せられた。
倫子はそれを見て、自分が男子だったら抱きしめると思った。
だが隣に立つ宗忠は動かなかった。
「大丈夫、ですよ?」
数秒後、さゆりは顔を上げるとしっかりと笑った。