夜の甘やかな野望



「うん、そうだね」


宗忠は言葉を切ってから、長い溜息をついて言葉を接いだ。


「さゆりちゃんと兄は長いんだ」


意外な事実に倫子は宗忠の横顔を見上げた。


「長い?」


でも、彼女はこの人のことが好きなんじゃ・・・?


「恋人同士、と言えるかはわからないけど」

「は?」

「こじれててね」


また長い溜息をついた。

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