夜の甘やかな野望
「路線バスだと、本数がないから、ターミナル駅で降りて、レンタカーで来る方が楽そうだったから」
「そっか。
ありがとう」
「いえ」
倫子が照れているのがわかって抱きしめたくなるが、自制した。
そのまま、間違いなく押し倒す。
そうしたら往診に行けなくなる。
明快な三段論法だ。
「ええと、お茶飲む?
泊まっていくよね?
あ、コーヒーか紅茶かになるけど。
緑茶がなくって。
買いに行かないといけないな。
あ、夕飯の材料」
倫子が宗忠の顔をみつめた。