夜の甘やかな野望
倫子はぼんやりと白い花々が暗闇の中、空に浮かぶ雲のように揺れているのを眺めていた。
時折、雲が千切れるように花びらが舞う。
よかった。
彼は本当にこれを望んでいるのだろうかって、ずっと心に刺さっていた。
やっぱり私と別れて、親に頭を下げたほうがいいんじゃないかと。
この付き合いは関係なくて、単に今までの勝手な行動に切れただけって言ってたけど。
どんどんと自分をわざわざ困難に追い込んでいる気がしていた。
でも。
今日、会ってみたら、仕事はきつそうだけれど雰囲気が変っていた。
いい方に。