夜の甘やかな野望



座っていたのにバランスを崩し、宗忠の胸に倒れこんだ。


宗忠の匂いと温かみに包まれ、倫子は目を閉じた。


少し早い鼓動を聞いているうちに、何の曲だか思い出した。


ショパンの別れの曲。


倫子はのどに物がつかえた感じがした。


「ねえ、倫子さん」


倫子の髪に顔をうずめたまま、宗忠が呼んだ。


息が詰まって返事ができない。


宗忠は次の言葉を紡ぐ。



「僕と結婚してもらえますか?」



No other love can warm my heart
Now that I've known the comfort of your arms
No other love
Oh the sweet contentment that I find with you every time
Every time



<end>
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