夜の甘やかな野望


そんな風に考えていたので、次の週の勤務の時、医務室に入ってきた倫子に向かって笑いかけた。


「髪の毛、切らなかったの?」

「切りませんよ」


ちらっと視線が投げられる。


ちょっとバツが悪いらしい。


根はお人好しなのがこの子のいいところだ。


「期待に沿ってもらえなかったということで、罰ゲーム、考えておこうかな」

「はあ?」

「お薬、出しておきますね~っていうのと同じ」

「どこがですか!」


倫子に食って掛かられたが、そんな事でめげたりへこんだりしないのが宗忠だ。


徐々に狩っていくのは、楽しい。
< 41 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop