夜の甘やかな野望
だけど、この子はお友達向きだろうか。
今更ながらに我に返った。
頭の片隅で、もう一人の自分が、首を振っている。
そうだよね。
宗忠は苦笑いを浮かべて、過去を思い出す。
これ以上、深入りをしてはいけない。
自分を戒める。
お友達は、あんな昆虫の話なんて、あからさまに嫌がったり怖がったりの、演技をするタイプじゃないと。
なんで話をしちゃったかな。
宗忠はため息をついて、健康相談用紙のコメント記入を再開させた。